夕暮れの翼

バイセクシュアルの翼がこれまでのこと、今のこと、未来のことなどを含めて感じたことをそのままオブラートに包まず書ける様にと作ったスペース。

思い出話をひとつ 4/4

 

みなさんご想像のとおり。

 

 

どっかのホテルにはずかしげもなく

淡々と手続きをすませて入って行く龍。

 

 

後を追う俺。

 

 

部屋に入るなり龍が先にシャワー。

 

 

俺の番になり、シャワーを浴びて

あがると、部屋は暗く、彼はすやすやとベッドで寝ている様だった。

 

 

俺は、どうして良いかわからず

 

「マジで寝てるの・・・?どうしよう・・・」

なんてテンパって小声を出して驚いてしまったほど。

 

 

しばらくして、龍がねむたーい声で

「おいで」なんて甘くささやく。

布団をめくりスペースをつくりながら。

 

 

どんだけ慣れてんだよこいつ。

 

 

寝てんのも演技か?

 

 

でも、どうでも良かった。

 

 

バスタオルをはがされ

しばらくお互いの体温を感じながら

何をするでも無く、横たわる。

 

 

次第にキス。

 

 

彼に好感を持っていたからか

彼がうまいからか、それはわからないけど

 

 

今までに無く甘いキスだった。

 

 

そこから耳、首筋・・・

本当に丁寧に味わう様に舐められていく俺。

 

 

俺は、実は何も出来ない。

好きでもないやつの体なんて例え乳首でも舐めたくないから

今までそんなことは極力避けて来た。

 

 

でも、ヤツのなら良いかな なんて思ってたのに

そんな隙も与えずに丁寧に、

自分が慈しまれていると感違う程にやさしく舐めてくる。

 

 

なんの取り柄もない(と思っていた)俺を

世間慣れしなんだか悟った様で少年の様な表情をも残した甘いマスクの男が

執拗に 愛撫し、舐めて、甘い言葉をかけてくる。

 

 

どこを攻められても敏感に反応し、

うねる俺の体。

 

 

乳首がとろけてしまうのではないかと思う程味わい尽くすヤツ。

 

 

腋や腕、脇腹も時間をかけ攻められていく。

 

 

本当に"全身"を攻められた。

 

 

そしてあそこへとヤツの舌はたどり着く。

 

 

どれだけあえいだんだろうか。

 

 

AVは喘ぎ声がわざとらしすぎて

全く見ないけれども

 

 

それをはるかに越す声が自然と出ていた。

 

 

 

今の俺があの光景をみたらどう思うだろう。

快感に溺れる哀れなヤツと自分自身を非難しながらも

きっと同じ場面に出くわしたら同じ選択をしただろう。

 

 

 

足の付け根も、袋も、脚はもちろん、

穴まで舐めてくる。

 

 

「汚いってば」

 

 

そんなの聞かなかった。

 

 

「全然汚くないよ」

 

 

その言葉と共に

まるで「気持ち良いだろ?」って言う様に余計に攻めて来る。

 

 

そして俺が絶頂に至ったところで

 

 

ヤツは満足したのか

 

 

「シャワー浴びよっか」

 

 

俺はヤツを絶頂にいかせたかった。

 

 

でも、なんだか今回はヤツの流れに従った方が良い気がした。

 

 

一緒にシャワー浴びる。

つかの間の夢の様な甘い時間。

 

 

イッた後は普段罪悪感に包まれるものだが

この時は終止甘かった。

 

 

なんて紳士なんだ。こいつ。

 

 

最後の最後までキスを求めてしまっていた俺。

 

 

別れ際までお互い楽しく会話が続いた。

 

 

 

 

その後もう1回会ったけど

ヤツの連絡先も消えちゃったし。

 

 

恋じゃないんだけど

恋しかけた様な感覚に陥らせてもらった

今となっては良い思い出話。